去る11月23・24日の両日、都内で開催された「第18回 日本臨床死生学会大会」に、堀は参加しました。 皆さんは「死生学」という学問をご存知でしょうか? もしかすると初めて目にする人もいるかもしれませんので、どんな学問であるか少しご説明致します。 治療方法・薬はじめ今日の医療を取り巻く環境は 日々進歩を続けています。しかしながら、それでもなお最期の瞬間すなわち「死」は、この世に生を受けた全ての人に訪れます。 当人として、家族や医療者として如何に死と向かい合えばよいのか、あるいは死をライフイベントの1つとして捉えたうえで、今を如何によりよく生きるべきかなどについて、研究する学問、それこそが死生学です。 医学は死と深い関係がある学問分野ですが、死は「倫理面」はじめ医学だけでは解決困難な側面を数多く内包しています。それゆえ死生学は医学に加え、法学・哲学・心理学・民族学・文化人類学・宗教学など、専門を異にする研究者が ”学際的”に研究を行っている点が特徴として挙げられます。 そのような死生学における多角的な視点を医療の臨床の現場で活用し、さらに研究を進める学会が「日本臨床死生学会」であり、堀は学会員としてその活動に従事しています。 拙著「おだやかで幸せな死を迎えるための23の方法」においても堀が触れているように、死に直面する本人に加え、家族や周囲の人、更には彼らに寄り添う医療者にも、”こころのケア”が必要となる場合が少なくありません。 ところが今日の医療を取り巻くさまざまな制約等のため、必要とされるケアが十分に行き届いていないというのが現状です。 今回の学会大会においては、直接・間接に死と向かい合う人たちがこころのケアを必要とする際、いつでもどこでもケアを受けることのできる環境整備を学会の目的として掲げ、活発な演題発表と意見交換が行われました。 今後も堀は「死生学」をライフワークとして、より良い生と死の実現を探求し、積極的にメッセージを発信して参ります。 (日本臨床死生学会HP) 堀からのメッセージ 世の中で「100%」と言い切れるものは多くはありません。しかし、私たち人間には必ず「最期の瞬間」が訪れます。 最期の瞬間と向かい合う人を支える人材の育成が今求められているとともに、私たち1人1人が普段から自分らしい最期とはどのようなものであるかについて、考えることが大切となります。 死について考えることは、如何に現在そしてこれからを生きるかについて考えることへと繋がります。読者の皆さんも、時間の許す時に 死について考える時間を持ってみてください。 堀 エリカ |
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